「雲」の中のコンピューター

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03/31/2009 by kaztaira

cloud pic「ネットはいま」という夕刊の連載記事を、昨年11月(第1部「さがす」18回)と今年2月(第2部「つながる」19回)に掲載しました。急速に変わってゆくインターネットの「いま」の動きを、わかりやすく描いていこう、という企画です。私は、1部と2部ではデスク役を務め、IT分野に関心がある記者のチームが取材・執筆にあたりました。ブログ「ネットはいま++」では、このメンバーを中心に、ネット関連の話題を取り上げていきたいと思っています。

ちなみに、この連載は、朝刊しか配達されていない地域では掲載されませんでした。夕刊は配達されているが読み過ごした、という方も、アサヒ・コムに特集ページがありますので、そちらをご覧になってみてください。この連載では、多くの取材で動画撮影もしています。それらをまとめた動画版「ネットはいま」も、特集ページでご覧になれます。連載記事と動画の連動は、朝日新聞でも初めての試みです。

◇「クラウド」と「クラウド」

IT業界では、一般にはなじみのない、カタカナの技術用語が頻繁に飛び交います。なかでもこの数年、「クラウド」という言葉があちこちで聞かれます。新しく誕生したキーワードです。「クラウド」とは、どんなものなのか。連載第2部でも、詳しくとりあげました。

そもそもこれを言い出したのは、エリック・シュミットさんという検索大手「グーグル」の最高経営責任者(CEO)です。これまで、コンピューターの様々なプログラムは、個々のパソコンにインストールされて、パソコン上でデータを処理したり、文書を作ったりする、という使い方が一般的でした。ところが、そんなプログラムも、データも、膨大な数の高性能コンピューターをつなぎ合わせた巨大な「コンピューター群」の中に置いておき、利用者は高速ネット経由でそれらを使う、という形式のサービスが普及してきました。利用者が必要なのは、パソコン(もしくは携帯電話)、閲覧ソフト(ブラウザー)、そしてネット接続だけ。あとは全部、ネット上の「コンピューター群」の側がやってくれる。

この「コンピューター群」が「雲(クラウド cloud)」。このような技術を「クラウド・コンピューティング」と言います。ネットワークの概念図では、インターネットを「雲」で表すことがあり、この呼び名はそのあたりから来ているようです。

メールや文書作成、表計算など、ほとんどの「クラウド」サービスは無料、もしくはタダ同然の利用料で提供されています。規模の利点を生かしたコスト削減と、広告を連動させたビジネスモデルなどで、それが可能になっています。一方で、「雲」の中がどうなっているのか、利用者からはわかりません。見方を変えれば、「ブラックボックス」。トラブルが発生し、サービスが止まってしまったらどうするか、大事なデータはどこかへ行ってしまわないか。そんな不安と隣り合わせであることも、理解しておく必要があります。

ところで、「クラウド」という言葉は、利用者参加型のネットサービスなどを総称した「ウェブ2.0」の文脈でも使われていました。ただ、この「クラウド」は「雲」ではなく、「群衆(クラウド crowd)」の意味。業務を外注する「アウトソーシング」転じて、ネット上の不特定多数の利用者に、アイディア・協力を求める新しいモデル「クラウドソーシング(crowdsourcing)」という考え方です。ジェームズ・スロウィッキーさんの「『みんなの意見』は案外正しい」という本が、この考え方をわかりやすく説明していました。原題はそのものずばり「The Wisdom of Crowds(群衆の英知)」でした。

次々出てくる新しいカタカナ専門用語。同じような内容が、どんどん新しい造語で語られたりもするので、この分野を継続的にウォッチしていても、時々、混乱してしまいます。

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