「アドレスがなくなる日」とツイッター

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10/27/2009 by kaztaira

インターネットの「電話番号」ともいえるIPアドレスの今の規格、IPv4は、あと数年で「在庫切れ」になる、と言われています。そのアドレスは、2進数で32桁、全部あわせても約43億個。世界人口にもはるかに足りない数です。在庫がなくなっても、インターネットが止まったりはしません。でも拡大を続けるネットの需要に対応するためには、今あるものを使い回せるような技術を導入するか、使っていないアドレスを探し出すか、次世代規格、IPv6に乗り換えるか。そう、選択肢は豊富ではありません。
その在庫切れの時期をめぐって、先週末、関係者の間でちょっとした騒動がありました。発端は、ドメイン名とIPアドレスの国際的な管理調整を担う米の非営利組織「ICANN」の最高経営責任者(CEO)、ロッド・ベックストロームさんが来日して開き、私も出席していた記者会見でのやりとりでした。

ICANNはこれまで、歴史的経緯から、インターネット発祥の地、米国政府の管理下で活動してきました。その裏付けとなっていた契約が9月いっぱいで終了し、10月以降は米政府から独立して活動することになりました。会見の話題の中心は、その件に関する説明でした。

その後の質疑応答の中で、ベックストローム氏はIPv4の「在庫切れ」問題について、「ICANNによる最後のIPv4の新規割り当ては、おそらく来年10月になる」と話しました。この発言に、関係者はびっくりしました。ICANNの在庫は、来年なくなる、と言ったのです。

ICANNの在庫がなくなっても、それらは北米、南米、欧州中東、アジア太平洋、アフリカ、と地域ごとにアドレスを管理する組織に割り当てられるので、その時点が「v4アドレス在庫最後の日」というわけではありません。それにしても、あと1年、です。そして、関係者が驚くのには、別の理由もありました。

これまで、IPv4アドレスの在庫切れ問題については、ジェフ・ヒューストンさんという専門家の試算が、一つの信頼できる目安とされてきました。その試算はネットでも公開されています(http://www.potaroo.net/tools/ipv4/index.html)。それによると、ICANNの在庫切れは、「2011年11月」と見積もられています。その時計の針が、1年以上も早まった、ということになります。

もし、状況が大きく変化したのであれば、在庫切れ対策も見直しを迫られますし、思い違いなら、発言が一人歩きをしていくと、混乱を招いてしまいます。

関係者らが、ベックストロームさんに連絡をとろうとする中、コミュニケーションツールとして威力を発揮したのが、人気のミニブログ「ツイッター」でした。様々な問い合わせがあったのでしょう。ICANN総会が開かれる韓国・ソウルを訪問中だったベックストロームさんは、記者会見の翌日、ツイッターで改めてICANNの在庫切れは「2010年後半」と表明。関係者とも、電子メールを交えながらも、ツイッターでもやりとりをしていたようです。

2010年なのか、2011年なのか。結局、ベックストロームさんは日曜日になって、やはりツイッターで「訂正」を発表。「2011年」で決着することになりました。騒動の中、事実関係の確認にあたった関係者のひとりは、たくさんの人たちとツイッターで連絡がついてしまうことに、改めて気づいたと、ツイッターで教えてくれました。私もツイッターの使われ方に、かなり新鮮な驚きを感じました。

ただ、困るのは、これはほっとできる話ではないということです。ベックストロームさんの当初の見通しでは、地域の管理組織も「在庫切れ」になる、本当の枯渇時期は「2013年」としていました。そして、ヒューストンさんの見通しでも、その時期は2013年。対策を迫られているという点では、二人の結論は、何ら違いはないのです。

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