携帯をかざし、生中継が始まった

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12/14/2009 by kaztaira

ustream

 「報道の自由とは、報道機関を所有している人々にだけ認められる権利だ」と1960年に皮肉を込めて言ったのは、「ニューヨーカー」などで活躍した米のジャーナリスト、A.J.リーブリングだった。
 「将来、だれでも15分間は、世界的有名人になるだろう」と60年代末に言ったのはポップアートの巨匠、アンディー・ウォーホール。そしてブログ時代を迎え、「だれでも、15人にとっての有名人になるだろう」と言ったのは、ハーバード大のデビッド・ワインバーガー氏だ。
 無料の動画配信「ユーストリーム」を使ってみての感想は、そんなメディアの格言を、思い起こさせた。「報道機関」を所有し、、家族や友人、あるいは世界に向けての有名人になれる、かもしれない。文字通りの「無料の放送局」が持てる。しかも、携帯電話を手にするだけで。
 ユーストリームは2006年夏にできたベンチャーだ。会社説明によると、共同創業者の3人は米陸軍士官学校で出会い、海外派遣などで通信手段が限られている兵士が、家族との連絡を取りやすいように、とこのシステムを開発したらしい。パソコン用カメラを使ったテレビ電話のイメージだ。
 だが、オバマ氏が大統領選のキャンペーンで活用するなど、その利用方法と人気は急速に広がっていった。
 日本でも、昨年6月に起きた東京・秋葉原の無差別殺傷事件で、たまたま居合わせた人が、ユーストリームで現場の様子を生中継した。また最近では、行政刷新会議の「事業仕分け」で、会場の様子や、これに反発したノーベル賞受賞者らの会見も、ユーストリームで生中継された。
 無料の動画サービスは、ユーチューブなど、ほかにもある。だが先週9日、このユーストリームが改めて話題をさらった。生中継機能「ライブ・ブロードキャスター」を、多機能携帯電話(スマートフォン)「アイフォーン」で使えるようにしたためだ。すでに9月には「アンドロイド携帯」でも使えるようになっていたから、これで、スマートフォン人気を牽引する両ブランドで、サービスが出そろったことになる。
 私は自分のアンドロイド携帯で、このサービスを試してみた。
 携帯にユーストリーム用のプログラムをダウンロードし、登録をするだけで、サービスは使える。アンドロイド携帯から登録手続きをするのは、面倒くさそうだったので、それはパソコンで済ませた。説明などはすべて英語なので、少し取っつきにくくはある。
 だが、それが済んでしまうと、あとは携帯電話の画面でユーストリームのアイコンを押し、内蔵カメラをかざし、撮影開始のボタンを押す。それだけで、私だけのネット生中継が始まった。
 画質や音質は、もちろん「テレビ」とは比べようもないが、これはまぎれもなく生中継。しかも、専用アドレスにアクセスすれば、世界中、どこからでもその生中継を見ることができる。そして生中継とあわせて、ツイッターなどを経由して、双方向のやりとりもできる。
 遠隔の祖父母と一緒に楽しむ子どもの誕生会から、大事件の現場中継まで。
 「事業仕分け」の中継一つとっても、これまで私たちの目に「見えなかった」ものが「見えた」ことのインパクトは、画期的だった。でもおそらく、それとは比べものにならない規模で、様々な「見えなかった」場面が「見える」ようになっていくのだろう。この小さな携帯電話で。
 ただ、そこで流れる風景は、心温まるものばかりとは限らない。おもしろいと同時に、少し怖い気にもなる。
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