ガーディアン編集長のネット戦略

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02/08/2010 by kaztaira

グーグルは国家じゃない」でも紹介した英ガーディアンのアラン・ラスブリッジャー氏。よくよく見れば、同紙の編集長だ。ものを知らないと、こういうところで恥をかく。

 このラスブリッシャー氏の講演採録が、同紙のサイトに掲載されいる。友人でもあるジャーナリスト、ダン・ギルモア氏のブログで知った。「ジャーナリズムの未来に関心があるなら、必読だ」と。演題は「ジャーナリズムは生きているか?
 ガーディアンは、ネットへの先進的な取り組みでも知られる新聞社だ。原稿は、ものすごくボリュームがあるが、読み進めると、昨日の「読者が記者を差配する」と地続きの話だとわかる。
 ポイントは二つ。新しい新聞のビジネスモデルは、そして、ネット時代の新聞と読者の関係をどう考えるか。
 まず、ビジネスモデル。これにはまだ「正解」はない、と、著名ブロガー、クレイ・シャーキー氏の言葉を引く。「新しいモデルが出来上がる間もなく、古いモデルが急速に崩壊している」
 だが、ニューズ・コーポレーションのルパート・マードック会長の唱えるウェブ課金には懐疑的だ。「それによって、世界中に広がるネットの人々から、切り離されてしまうことになる」と。そして、この課金への考え方は、新聞と読者のあり方に、密接に関わるのだ、と。
 「権威としての新聞」か「一緒につくりあげる新聞か」。ラスブリッジャー氏は、後者のあり方を、追求するという。「われわれ新聞記者より、読者が方が多くのことを知っている」というダン・ギルモア氏の言葉を引きながら、ツイッターなど読者自身が発信する「ソーシャル(交流)」のメディアを活用し、さらに「クラウドソース(群衆委託)」で読者の専門知識に助けを請う。
 独自の調査報道と、「クラウドソース」を組み合わせ、専門知識も必要な膨大な資料も読み解いていくというスタイルで、世に問うたいくつもの特ダネの事例を紹介。
 ネットの人々と切り結び、その信頼を得ることで広がる読者の規模と収入は、課金で得る収入と、失う読者とのつながりより、遥かにメリットがある、とラスブリジャー氏。そのソロバンは、きちんと弾いていある、と。
 「『我々はジャーナリスト、ネットの彼らはそうじゃない。我々の仕事はジャーナリズム、彼らがやっているのとは別物だ』――なるほど、ならば、ビジネスモデルを心配する必要もない。”我々”は忘却の彼方へと続く、夢遊の歩みを続けるだけだ」
 ガーディアンの判断は、世界市場の規模が持てるという、英字メディアの特性もあるだろう。同じ市場での競争相手であるニューズ・コーポレーションとの緊張関係も、ヒシヒシと伝わる。
 この講演の中で、ニューズコープが、課金の旗を掲げる一方で、傘下には、無料の交流サイト「マイスペース」があったり、出版社、ハーパー・コリンズが読書愛好家の無料交流サイトを立ち上げていたりと、「ソーシャル」な戦略との両面作戦を展開していることも分析してみせている。
 ガーディアンは、ニューズコープ(やニューヨーク・タイムズ)とは方向性に違いはあるが、ネットが生き残りの「核」と考えているのは、間違いないようだ。
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