共通番号と国民IDと個人情報保護

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08/17/2010 by kaztaira

住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)の番号を、これまで何度使ったことがあるだろう。今月5日で、システム稼働から8周年を迎えた。電子政府・電子自治体の基礎となるシステムとして、国民一人ひとりに11桁の番号をつけた本人確認システムだが、評判はあまりよくない。

 問題は個人情報の漏洩や乱用への不安だ。各地で起こされた訴訟について、最高裁は「合憲」との判決を出している。だが、大阪高裁は06年11月、「個人情報保護対策で無視できない欠陥があるうえ、提供を拒否する住民に運用することはプライバシー権を保障した憲法13条に違反する」との違憲判決を出していた。
 そして今度は「共通番号」と「国民ID」。
 政府は、納税と社会保障のための国民共通番号を検討している。閣僚検討会が「中間とりまとめ」として素案を示し、今月16日まで意見募集をしていた。住基ネットの番号とひもづけた新しい番号をつくり、情報漏洩対策として、分散管理する方式などが示されている。
 また、政府の 高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT戦略本部)は今年5月、「新たな情報通信技術戦略(IT戦略)」を発表。この中で、13年までに国民一人ひとりに識別のための共通IDを割り当てる「国民ID制度」を導入することをうたっている。政府・地方自治体間の「データ連携を可能とする電子行政の共通基盤」と説明する。「社会保障・税の共通番号の検討と整合性を図りつつ」とあるので、これはこれで、また別物のようだ。
 いずれも、課題として掲げるのが個人情報保護対策。住基ネットと同様、結局はそこに最大の関心が集まる。
 朝日新聞が今年3月に実施した全国世論調査では、賛成が43%、反対38%と意見が分かれ、男性で賛成52%、反対36%なのに対し、女性では賛成35%、反対39%と、反対が上回った。
 電子政府だけではない。次々に登場する新たなウェブサービスと、ネットワークを大量に飛び交う個人情報の中で、私たちは「番号」と「プライバシー」をどう考えていけばいいのか、ちょっとわからなくなってきているのかもしれない。
 そんなテーマを掲げたシンポジウムも、今週末に開かれる。「共通番号制度と国民ID時代に向けたプライバシー・個人情報保護法制のあり方<課題と提言>」は21日(土)午後1時から6時まで、東京・本郷の東京大学情報学環福武ホールで。個人情報保護に詳しい一橋大学名誉教授の堀部政男さんや、新潟大学大学院教授の鈴木正朝さんらが登壇し、海外の状況も踏まえた報告・提言を行う。無料・事前申し込み制で登録は先着250名。
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