クラウドソース化するニュース

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10/09/2010 by kaztaira

『起業家ジャーナリズム』とは」、「ジャーナリズムの『新世界』」で紹介してきた「国際新聞編集者協会」(IPI)とポインター研究所のレポート「すばらしい新聞界(ブレイブ・ニュース・ワールド)」。

 先進的な「クラウドソース化」に取り組む英ガーディアン編集長、アラン・ラスブリッジャーさんもこのレポートに文章を寄せている。
 「情報はフリー(自由/無料)になりたがってはいないかもしれないが、リンクはされたがっている」
 元ネタは、スチュアート・ブランドさんの1984年のテーゼ「情報はフリー(自由/無料)になりたがる」。ガーディアンは、クラウドソースとともに、情報のオープン化戦略を鮮明に打ち出しており、ウェブ課金に乗り出した英タイムズなどとは対照的な存在だ。
 「今やいかなる情報も、賢明に他の情報とリンクされることで、意味や力、深み、文脈、内容、影響を増すことができる」
 グーグルの幹部が言いそうな台詞ではあるが、れっきとした新聞人の言葉だ。
 同社の「クラウドソース」の典型的な例が、閣僚や下院議長の辞任、刑事事件にも発展した「英国会議員経費乱用問題」だ。刑事事件にも発展したこの問題で、専用サイトを開設。議会が公表した領収書など40万件に上る資料のチェック作業を、読者にも呼びかけ、2万3000人が協力したという。
 ハーバード大のケネディー行政大学院の研究機関ショーレンスタイン・センターの講師で、同大法科大学院バークマン・センター研究員でもある著名ブロガーのクレイ・シャーキーさんは、20世紀型のメディアを一方向の「ニュースのパイプライン」だったとして、21世紀のあり方として、新著のタイトルでもある「思考の余剰(コブニティブ・サープラス)」というキーワードを取り上げている。
 ネット百科事典「ウィキペディア」のように、ボランティア的な参加者が協力して、つくりあげるプロジェクト。利用者は、受け身の利用者ではなく、双方向の制作者にもなりうる。それぞれの自由な時間と能力を持ち寄ることで、巨大な知識の集積場をつくりあげる。そのような動きを指して「思考の余剰」とシャーキーさんは呼ぶ。
 この「思考の余剰」、つまりかつての視聴者、読者が「参加者」になることによって、ニュースにもたらした変化。それは、2002年に米上院院内総務だったトレント・ロット議員が、人種隔離政策を肯定するかのような発言をした時、ネットでわき起こった非難の声に押される形でメディアが動き始めた事例や、2005年のロンドン同時爆破テロの際の現場に居合わせた人たちからのネットへの写真投稿、昨年のイラン大統領選後の混乱を巡ってツイッターが果たした役割など、「思考の余剰」の実例を紹介。それらを可能にするサービスを提供する「ニュースの起業家」たちの存在も指摘する。
 「社会の構成要素としてのニュースのあり得る姿、あるべき姿。この変化は、それを考える際の核になってくる」とシャーキーさんは言う。
 (この項続く)
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