アドテックで語られていたこと

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11/01/2010 by kaztaira

28、29の両日、東京・芝公園で開かれていたカンファレンス「アドテック東京」で語られていたのは、「みんながメディア」「どこでもメディア」「あれもこれもメディア」へと激変するメディア環境に、当事者としてどう向き合うのかという問題意識だった。会場には、初日だけで5000人近くいたらしい。確かに、人は多かった。

 

opening

 

 初日の基調講演にたったグーグルのアジア・パシフィックのマーケティングディレクター、マービン・チョウさんは、現在は世界の総広告費5500億ドルの15%以下でしかないデジタル広告の比率が10年後の2020年には50%を超え、今の総広告費に匹敵する5000億ドルの市場規模になるとの見立てを紹介。クラウドやモバイル、ソーシャルが広げる機会と未来は、「まだほんのとば口」とグーグルらしくまとめた。ちなみに、チョウさんが使っていたプレゼンのクラウドサービス「Prezi」はなかなかカッコいい。

 続く電通のコミュニケーション・デザイナー岸勇希さん、吉本興業社長の大崎洋さんと、フジテレビのクリエイティブ局長大多亮さんの「コンテンツのこれから~テレビはこれからもポップたりえるのか?~」。デジタル対アナログ、ウェブ対テレビ、コンテンツ対プラットホーム、の二項対立の発想の中で、「プラットホーム・イズ・キング」の議論に対して、大多さんは「ストロング・コンテンツ・イズ・キング」言い切った。さらに「エモーション・イズ・キング」と語る岸さんは、今の新しい動きに「一つの形がみえない」とも。大崎さんは「笑いによって人々とつながるコミュニケーションのインフラづくり」を語った。そして、「世界に向けて、メディアの違いを超えたチャレンジができる時代」と。

 

key note 2

 

 「メディアの違いを超えたチャレンジ」は、2日目の基調講演をしたCNN.comの上席副社長兼ゼネラルマネージャーのケネス・エステンソンさんが提示する同サイトの取り組みにも通じる。先進的な取り組みで知られるCNN.comは、細部にいたるまでよくチューニングされている。フェイスブックを画面に組み込んだソーシャルなニュースのランキングや、世界で60万人が参加する市民ジャーナリズムの取り組み「iリポート」、さらにはITカンフェレンス「TED」との連携などを通じて、「日々のニュースの質を高めながら、双方向などテレビにはできない部分をネットで展開し、ブランド力を拡張していく」という。

 クラウド化や端末・スクリーンの多様化を、メディアブランド拡張の機会ととらえるのは、コンデナスト・デジタルのカントリーマネージャー、田端信太郎さんの「コンデナストはメディアブランド・カンパニー。タッチポイントはどこ(のスクリーンでも紙でも)でもいい」とのスタンスにも近い。この2日目のセッション「新たなるコンテンツ・プラットフォームは我々の未来を変えるか」は、電通の佐藤尚之さんがモデレーターで、雑誌ワイアードの特集「ウェブは死んだ」を巡る、自由なウェブとパッケージとしてのアプリという、ネット文化を俯瞰した切り口の議論が展開されていた。ワタナベエンターテインメント会長の吉田正樹さんが提示したのは「コミュニケーション・イズ・キング」だった。

 

web is dead

日本コカ・コーラの江端浩人さんがモデレーターのセッション「ソーシャルメディア戦略の長期的視点・短期的視点」では、慶応大/ドワンゴの夏野剛さんが、「ソーシャルで金が動いていない。もっと真剣に使い方を考えていかないと」と指摘。一方、大和ハウス工業デジタルメディア室長の大島茂さんがモデレーターの「ソーシャルメディアトラッキング~ソーシャルメディアキャンペーンの効果測定~」では、スケダチの高広伯彦さんが、「ツールやプラットフォームではなく、ソーシャルグラフこそが大事」。アジャイルメディア・ネットワークの徳力基彦さんは、「これまでのリーチとコンバージョンだけではない効果を見ることができる」と指摘した。

 電通の大岩直人さんがモデレーターの「クリエイティブが変わる! マルチプラットフォームに対応するための最先端の取り組み」では、ネイキッド・コミュニケーションズ共同創設者、ジョニー・ショウさんが「穴ぐらに突っ込んでる頭を抜き出せ。アントレプナリアル(起業家的)であれ」と挑発的なプレゼン。
 サイバー・コミュニケーションズ社長の長澤秀行さんがモデレーターの「今、メディアが解決すべきこと~オーディエンスとクライアントの変化に応えるために~」では、ミクシィ副社長の原田明典さんが、ソーシャルメディアで話題が広がる動きを「(ソーシャル)グラフが揺れる」と表現。これまでのGRP(のべ視聴率)などの指標の位置づけが録画視聴、CM飛ばしなどによって変わってきている一方、従来GRPの外側で機能していたお茶の間などでの話題の増幅機能が、ソーシャルで広がり、計測可能になってきていると言い、「この新しいバリューのための指標が必要」と話した。
 ADKインタラクティブ社長の横山隆治さんがモデレーターの「日本におけるトリプルメディア・トリプルスクリーンの複合戦略」では、ビービット広報宣伝部長、渡辺春樹さんの、「ウェブは2.0しかないし、マーケティングは3.0しかない。広告主は自社メディアでもっと強力なものをつくれる」との言葉が印象に残った。消費者・ユーザーの参加や協働は、当たり前のこととして考え抜き、施策を尽くす、ということなのだろう。
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