「あなたがメディア」のリテラシー

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07/19/2011 by kaztaira

[*情報開示:この投稿は、筆者が翻訳と解説を担当した『あなたがメディア! ソーシャル新時代の情報術』(ダン・ギルモア著、平和博訳、朝日新聞出版、7月20日発売)の話題を扱っています]

 リテラシーという言葉がある。日本語では「読解力」と訳されたりする。「デジタル読解力、日本4位 OECDの『PISA』」という具合だ。元のリリース文はここにある「Education: Korea tops new OECD PISA survey of digital literacy」。

 

 ただ、今のメディア環境の中で、リテラシーを「読解力」と訳すことには異論もある。私も違和感がある。特に、本のように「読み解く」だけではなく、ますます「収集」「選別」「発信」「共有」「会話」をする能力、つまり「参加」する能力になってきているからだ。
 むしろ「使いこなし力」「実践力」という意味合いが増している。特に、ツイッター、フェイスブック、グーグル+といったソーシャルサービスが重みを増す時代には、その部分こそ重要になってくる。
 1999年からブログを続けているジャーナリスト・ブロガーの草分け、アリゾナ州立大学ジャーナリズムスクール教授のダン・ギルモアは、それを「メディアクティブ(行動するメディア)」と呼ぶ。
 これまで、メディアと利用者の関係は、「一方的な発信者」対「受け身の消費者」だった。新聞と読者、テレビと視聴者の関係は、まさにその図式だ。そんなメディア空間では、メディアの発信する情報を、どう批判的に「読み解く」のか、ということが重要なリテラシーのポイントだった。
 だがソーシャルメディアの時代は、その図式が大きく変わった。誰もが、一人ひとりの「あなたがメディア」になったのだ。情報を受け取るだけでなく、共有し、発信する。情報の〝選球眼〟はさらに求められ、さらに情報の発信元としての信頼を得るノウハウも必要になってきた。
 ダン・ギルモアは、そのノウハウを、シンプルな10のルールで説明する。
 最初の五つは〝メディア消費のルール〟。(1)疑ってみる(2)自分で判断する(3)視野を広げる(4)質問をし続ける(5)メディアの手法を学ぶ。
 そして、〝信頼されるメディアづくりのルール〟。(1)徹底的に(2)正確に(3)公平に礼儀正しく(4)独立して考える(5)透明性を保つ。
 これらはいずれも、これまでのメディアリテラシー、さらには新聞社などでの記者教育の指針を踏まえたものだ。ただ、それだけではない。ダンは、起業家でもあり、投資家、さらには社会活動家でもある。メディアとビジネスの最先端の状況を見据えながら、従来のメディアリテラシー、ジャーナリズムのノウハウを大きくアップデートする試みに取り組んでいる。
 そのプロジェクトのホームページがmediactive.comだ。同名の著書「Mediactive」を私が翻訳、解説した『あなたがメディア! ソーシャル新時代の情報術』(朝日新聞出版)が20日に発売される。アマゾンのページもすでにできており、フェイスブックにもページを開設してある。

 

 日本語版のためにあたらに書き下ろした「第0章 大震災、ウィキリークス、ビンラディンの死が示したメディアの未来」と「訳者解説 メディアで今起きていること」の全文と見出しは、PDFとフラッシュで公開しており、PDFはクリエイティブ・コモンズ・ライセンス(表示・非営利・継承)で共有もできる。
 この話題は、少しずつ紹介していきたいと思う。

 

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