プライバシー権利章典と追跡防止

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02/27/2012 by kaztaira

先週は、プライバシー案件が立て続けに発表されたにぎやかな週だった。

 まずは22日発表のこれ。モバイルアプリのプライバシー保護強化で、アマゾン、アップル、グーグル、HP、マイクロソフト、RIMのプラットホーム大手6社とカリフォルニア司法長官が合意したという発表だ。

 

この合意自体に法的拘束力はないとしているが、現行のカリフォルニア州のオンラインプライバシー保護法を遵守することを確認。サイトやアプリでのプライバシーポリシーの明示、さらにプラットホーム企業から開発者への指導(使用データ、目的などの開示)の徹底、などをうたっている。

 スマートフォンの急拡大で、モバイルアプリとプライバシーの問題が焦点になっているが、こういうところは米国の動きは速い。
 さらにホワイトハウスの「消費者プライバシー権利章典」が23日。主眼はネット上のプライバシー保護だ。

「プライバシーの普遍の価値を新たなテクロノジーと時代状況に適合させる」として、7つの原則をあげている。

 (1)個人のコントロール権(2)透明性(3)収集条件の尊重(4)セキュリティ(5)アクセス権と正確性(6)収集制限(7)説明責任
 商務省の電気通信情報庁が今後、「権利章典」の具体化に向けた検討に入る。業界団体、消費者団体、プライバシー保護団体など各利害関係団体を交えた規範策定、連邦取引委員会(FTC)の規制権限の強化、海外との相互運用、などがポイントになるとしている。
 この発表の中で、業界団体の動きについても触れている。グーグルやヤフー、マイクロソフト、AOLなどが加盟するデジタル広告アライアンス(DAA)が、ブラウザー(閲覧ソフト)に「ドゥー・ノット・トラック(DNT 追跡防止)」機能を組み込むことで合意した、というものだ。。今後9カ月で実装する、としている。
 これはどんな仕組みかというと、ブラウザーから各ウエブサイトにアクセスするときに、「追跡防止((DNT: 1))」という信号を送信することで、サイト側では利用者の閲覧履歴などを収集しない、というものだ。
 実は、ファイアーフォックス、インターネットエクスプローラー、サファリといった主なブラウザーに、設定の煩雑さ、使い勝手の違いはあれ、最新版ならいずれもこの機能を実装している。
 ファイアーフォックスなら、「ツール>オプション>プライバシー>トラッキングの拒否をWebサイトに通知する」にチェックを入れる。
 インターネットエクスプローラーなら、「ツール>追跡防止>追加防止リストをオンラインで取得」でリストを「追加」する。
 サファリは「編集>設定>詳細>メニューバーに”開発”メニューを表示」にチェックを入れた上で、メニューバーから「開発>Do Not Track HTTP ヘッダを送信」にチェックを入れる。
 オペラでもバージョン12という開発版では、この機能が実装されている。「設定>設定>詳細設定)>セキュリティ>Ask websites not to track me」にチェックを入れる。
 で、今のところこの「追跡防止」機能が実装されていないのは、主要ブラウザーではグーグルのクロームぐらいなのだ。
 グーグルは、「合意を歓迎する」と声明を出している。
 これを読むとわかるが、「追跡防止」の機能は限定的だ。「追跡防止」の対象は主に、ターゲティング広告などのための閲覧履歴の収集。ユーザーがグーグルやフェイスブックなどのサービスにログインした状態などでは、「追跡防止」とは関係なく、グーグル、フェイスブックによって閲覧履歴は収集されることになる。
 また、「追跡防止」が機能するためには、ウェブサイト側が、この信号を認識できるように対応する必要もある。決定打とは、いいにくい。
 グーグルが3月1日から、各サービスごとのプライバシポリシー統一する、というタイミングでもある。閲覧履歴の収集は気になるポイントだ。
 閲覧履歴のコントロールは、ほかにも一応の手段はある。たとえばグーグルなら、履歴ページにアクセスして、ウェブ履歴を「一時停止」したり、「ウェブ履歴をすべて削除する」こともできる。
 ただ、これはあくまで自分のアカウント内での履歴データで、グーグルの説明にあるように、グーグルはグーグルで別途、履歴データを保存している。履歴が一切、消えてなくなるわけでは、全然ない。
 これに先立つ16日、経済協力開発機構(OECD)の情報・コンピューター・通信政策委員会が、やはりプライバシー関連の発表をしている。「ネット上の児童保護に関する勧告」(ちなみに、草案を検討したのは、慶応の新保史生准教授が副議長を務める情報・セキュリティ・プライバシー作業部会だったようだ)
 児童にとっての安全なネット環境を確保するための支援、ネットの可能性や表現の自由を阻害しない配慮、などを実現する政策策定を加盟各国に求めている。
 以前にも取り上げたが、「忘れられる権利」を盛り込んだ欧州連合(EU)の個人データ保護指令の改正案の動きなども含め、ちょっとおさらいをしておきたいところではある。

 

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