ハックとハッカーの違いについて

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04/16/2012 by kaztaira

HACKS/HACKERS」という怪しい名前のグループがある。

 2009年に米国で発足し、30近い支部があるらしい。掲げるミッションは「ジャーナリズム×テクノロジー」だ。
 「HACKERS(ハッカーズ)」はスティーブン・レビー氏の名著のタイトルにもあるように、卓越したコンピューター技術者を指す。では「HACKS(ハックス)」は?
 どうもこれがジャーナリストのことを指すらしい。恥ずかしながら私は初めて知ったのだが、辞書にもそう書いてある
 同じ「HACK」でも、ハッカーズの方は「切り刻む」といった意味合いだ。コンピューターのコードを、切り刻むように自在に扱える人々、といった感じか。
 だが、「HACK」には別の意味、というか言葉もあって、それが「HACKNEY(乗用馬)」に由来する「HACK」。こちらはあまりいいことには使われていないようで、「月並み」「陳腐」といった訳語が当てられている。
 「HACKNEY WRITER」「HACK WRITER」は「三文文士」という意味になる。質より量で馬車馬のように書き飛ばす、といった風情。やや自虐的に使われる表現のようだ。
 ハックス(ジャーナリスト)とハッカーズが出会う場をつくり、新しいジャーナリズムを切り開いていこう、と2009年に声を上げたのは、データジャーナリズムの世界の有名人の1人、ニューヨーク・タイムズのインタラクティブ・ニュース・エディターのアロン・フィルホファー氏、ノースウェスタン大メディル・ジャーナリズムスクールのリッチ・ゴードン准教授。
 マサチューセッツで開かれたナイト財団のカンファレンスで、「ジャーナリズムを支援するためのウェブのアプリケーションやテクノロジーのイノベーションに関心がある人々のネットワーク」というアイディアを提案し、同財団からの助成金を手にしたという。
 一方、同じようなグループをシリコンバレーで立ち上げていたのが、元AP特派員のバート・ハーマン氏。やはりナイト財団のフェローシップで当時、スタンフォード大にいたようだ。ちなみにハーマン氏はソーシャルメディアのキュレーションサービス「ストーリファイ」の共同創業者だ。
 この米国の両側での取り組みが結びついて「HACKS/HACKERS」としてスタートしたという。2009年といえば、リーマンショックを引き金に、特に米国では新聞界に大きなダメージがあった時期だ。
 そんな激変の中で、イノベーションによってジャーナリズム再生をかけたチャレンジだったのだろう。
 今では、ロンドン、ブリュッセル、さらには南アフリカのヨハネスブルグや、アルゼンチンのブエノスアイレスにも支部があるようだ。

 ハックスとハッカーズ。確かにここには、ジャーナリズムの可能性が広がっていそうだ。

 

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