「ネットスマート」になるノウハウ

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06/04/2012 by kaztaira

『朝日新聞記者のネット情報活用術』の著者として、大学や企業などで講演をする機会があるが、先週はついに同業他社である毎日新聞社のソーシャルメディアの勉強会で講師役をやらせてもらった。

 今、企業、学校を問わず、関係者を悩ませているのが、パソコンやスマートフォンを使ってみんながメディアになる時代の、情報の受けとめ方や発信の仕方といったノウハウの共有と実践だ。
 例えば、ネットの専門家であるIT企業でも、社員それぞれが個人としてネットで情報発信をするとなると、多くの場合、実は確立されたノウハウがあるわけではなく、未体験ゾーンに入っていくことになる。
 これまでは「メディアリテラシー」という名前で呼ばれてきた分野だが、ソーシャルメディアを含めた実践的なノウハウこそが、現場では切実に求められている。
 私が『ネット情報活用術』を出版したり、ダン・ギルモア著『あなたがメディア! ソーシャル新時代の情報術』を翻訳・出版したのも、そんなソーシャルメディア時代のリテラシーを体系的にまとめたガイドブックが、他にあまり見あたらなかったためだ。

 デジタル文化を長年見続けてきたハワード・ラインゴールドさんが、今年3月に出した新著『ネットスマート オンラインで成功する方法(Net Smart: How to Thrive Online)』(未邦訳)はまさに、そんな需要に応えるガイドブックだ。

 ラインゴールドさんは、カウンターカルチャーの流れをくむ雑誌『ホールアース・レビュー』の編集者、最初期のオンラインマガジン『ホットワイアード』編集長などを歴任。さらにコンピューターの歴史を描く『思考のための道具』、経験的オンラインコミュニティー論『バーチャル・コミュニティー』などの著作があり、このテーマを語る上では最適の人物だ。

 私がシリコンバレーに駐在していた2003年、ラインゴールドさんの前著『スマートモブズ』について、同僚と自宅にお邪魔してインタビューをしたこともある

 『ネットスマート』で、ラインゴールドさんは、ネットを使いこなすための5つのリテラシーを掲げる。それが、「アテンション」「クラップ・ディテクション」「パーティシペイション」「コラボレーション」「ネットワーク・スマート」の5つだ。
 アテンション、すなわち自分の関心のポイントを、条件反射ではなく、いかにコントロールするか。ネットを流れるクラップ(ゴミ)情報をいかに見つけ出し、排除するか。そしてパーティシペイション、すなわちネットのへの参加、そしてコラボレーション(協働)。最後に多数対多数のネットワークを価値あるものとして活用するための心得(ネットワーク・スマート)。
 また本書には、ラインゴールドさんの友人でもあるダン・ギルモアさんの『あなたがメディア』、さらにその前著『ブログ 世界を変える個人メディア』も紹介されている。
 だが、ギルモアさんとはまた違った、独自のメディア観による体感的なノウハウが詰まっていて、私自身とても勉強になった。
 出版を機に、ラインゴールドさんが5月10日にMITメディアラボで行ったスピーチと、『ネットスマート』でも紹介されているメディアラボ所長の伊藤穣一さん、妹で文化人類学者のカリフォルニア大学アーバイン校教授、伊藤瑞子さんとのセッションの模様も、オンライン動画で公開されている。これもとても興味深い。
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『朝日新聞記者のネット情報活用術』
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