ベンチャー文化とチーム力

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10/30/2012 by kaztaira

起業家でベンチャー支援のインテカー社長、斎藤ウィリアム浩幸さんから新著『ザ・チーム 日本の一番大きな問題を解く』を献本いただいた。

ロサンゼルス出身の斎藤さんは、10代で設立した「I/Oソフトウェア」の生体認証技術が2000年にマイクロソフトのウインドウズに採用され、さらに4年後にはI/O社はマイクロソフトに買収された。

西海岸の起業家の成功モデルと言えるだろう。現在は東京、ロサンゼルス、ドバイを拠点に活動。国会の原発事故調査委員会に最高技術責任者としてかかわったり、国家戦略会議の部会委員を務めるなどし、日本のベンチャー支援も手がけているという。

本書には、斎藤さんの生い立ちや、国会事故調でのカルチャーショックの数々も語られているが、核心部分は、まさにタイトルにある「チーム」という切り口だ。

米国のベンチャー文化と日本の企業文化、そして「日本でなぜビル・ゲイツ、スティーブ・ジョブズが生まれないのか」という議論は、随分以前からある。そして、状況はさほど変わっているようにも見えない。

米西海岸、とくにシリコンバレーには、資金、技術、経営などの必殺技をもった各分野の人材が、ベンチャー支援、イノベーション支援に最適化され、高度にモジュール化されたエコシステムがある。リーダーのビジョンとパッションのもとで、それらの専門家が合体ロボのようにベンチャーを形づくる。

斎藤さんはこれを「チーム」と呼ぶ。多様性をもった異分野の専門家が、プロジェクトにそれぞれのオーナーシップを持ちながら連携して取り組む。

多様性、専門家、オーナーシップ。さらには背景にある、「失敗」をプラスに捉えるベンチャー文化。そしてそれを支えるエコシステム。

それぞれは、日本に欠けているファクターとして指摘されてはきた。そこに横串を通し、「チームの欠如」と指摘する斎藤さんの視点は、シリコンバレーに駐在していた自分の経験からも、なるほどという感じを受ける。

と同時に、グループとチームの違いが日本でどう理解されるか、協調・すりあわせのマネジメント論が一般的な日本の企業社会で、チーム論はどう受け止められるのか、気になるところでもある。

専門のセキュリティの問題から、リスク管理、人材育成まで。幅広い提言も網羅されていて面白く読めた。

斎藤さんのチーム論のエッセンスは、こんなところ(文部科学省・今後の高校教育の在り方に関するヒアリング)でもコンパクトに語られている。

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