ネット公開講座「MOOC」の修了証が届いた

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01/09/2013 by kaztaira

実体験した学びの新潮流『MOOC(ムーク)』」で紹介したテキサス大学ナイトセンターのデータジャーナリズムの大規模公開オンライン講座(MOOC=Massive Open Online Course)「インフォグラフとデータビジュアル化入門」から、6週間の講座の修了証が届いた。

Exif_JPEG_PICTURE別に何の資格でも単位でもなく、PDFでさらっと送られてくるものだが、それはそれなりの審査があっての修了証なので、結構うれしい。

サイトを見ると1月12日から2月23日までの第2弾は、第1弾の2000人超をはるかに超える5000人超の申し込みがあり、すでに登録は打ち切ったようだ。すごい。ただ、同センターは、2月にはまた別のMOOCを開設するという。

さて、修了証の審査だが、これは6週間の講座期間内に、設定された課題がすべてクリアできているか、ということをチェックしたようだ。申請から回答までに3週間程度かかっている。参加者2000人超という規模を考えれば、それでも早い方かも知れない。

クリアできているというのはおそらく、やったかどうかだけで、それなら記録はすべてネット上にあるからチェックも手間はかからない。提出物の内容がどの程度考慮されいるのかはよくわからないが、講座の期間中、カイロさんは課題の提出物はひととおり全部目を通していたようで、さらに主なものについて総括のコメントを書き込んでいた。これはなかなかすごいと思う。

この修了証は、修了認定のメールをもらってから、手数料20ドルをクレジット決済で納めたら、数日で送られてきた。

この20ドルは、MOOCのビジネスモデルの一つのカギになる。ただ、収益化の道筋はそれだけではない。

1月6日付けのニューヨーク・タイムズに「ウェブクラスに生徒殺到 でも収益はなお先か」という記事が出ている。スタンフォード大学発のMOOCベンチャー、200以上のコースに200万人以上の登録者がある「コースラ」共同創業者で、17歳でヘブライ大卒業の経歴をもつダフネ・コラー教授の、収益化の取り組みを中心にまとめている。

修了証への課金(20ドルから50ドル程度)、アマゾンのアフィリエイト(講座のサイトから購入があった場合)、優秀な生徒の企業への紹介、大学へのライセンス供与。最後のライセンス供与を受けた大学側は、MOOCを自校のカリキュラムに組み込むことができる。一種の授業のアウトソースだ。

いずれもまだ、大きな収入の柱として確立されているわけではないようだが、まずは規模をとる、というシリコンバレーのマントラどおりに展開しているようだ。

参考までに、テキサス大のMOOCで私が受けた授業は、6週間で具体的に何をやったのかを振り返っておこう。

【第1週】
講師である、マイアミ大学コミュニケーションスクールのアルベルト・カイロさんによる7本のオンラインビデオ計約1時間の講義を視聴。さらにカイロさんの著書(教科書)「The Functional Art」から約40ページ分などを読む。

その上で、あるマーケティング・エージェンシーの作成したインターネットのユーザー動向に関するインフォグラフの改善点などについて、掲示板での議論に参加して、最低2回は意見を書き込む。さらに、テキストや講義ビデオの内容を基にした5問の3択クイズに30分以内に答える。

【第2週】
やはりカイロさんによる9本のビデオ計約1時間の講義を視聴、さらに「The Functional Art」から30ページ程度を読む。

さらにニューヨーク・タイムズの大統領選に絡んだインフォグラフィックスを題材に、「自分ならどう改良するか」というテーマで、人数が多いために10に分かれた掲示板のどれかでの議論に参加。これも最低2回は意見を書き込む。再び講義内容に基づく5問の3択クイズに30分以内に答える。

【第3週】
8本、計約1時間のビデオ講義。さらにカイロさんのインフォグラフに関する記事を1本読む。さらに課題だが、これはちょっと本格的になってきて、データジャーナリズムの最先端をいく英ガーティアンの「データブログ」が取り上げたデータのビジュアル化を参考に、同じ元データを使って、独自のビジュアル化の企画とそのスケッチを提出するというもの。

元データは海外支援組織の透明性をまとめたこの報告書

データブログを担当するプロがすでに公開している仕事を見たうえで、素人が企画を立てるのだから、これはなかなか骨が折れた。

データのビジュアル化をめぐる基本的なコンセプトは、この週までで一通り終え、ここからは実際に手を動かすことがメインになっていく。

【第4週】
ようやく出来上がった課題は、ドロップボックスやフリッカー、グーグルドックスなどにアップロードして、そのリンクを講座の掲示板に掲載。企画意図なども書き込む。

さらに、他の参加者の課題のについて、感想や改善点などを書き込み5段階評価をする(これも最低2回)。

さらにカイロさんの20ページほどのテキストを読む。

そして新たな課題は、再びガーディアンのデータブログが取り上げたデータ。こんどは米国の失業率のビジュアル化。

この同じデータを元に、自分ならどんなビジュアルやマップをつくるか。そのメーン見出し、サブ見出しは。デッサンつきのビジュアル化の企画書作成だ。

【第5週】【第6週】
第4週の課題も同じように掲示板に掲載、他の参加者へのコメントも同様。

そして最後の2週間をかけて「卒業制作」。テーマもデータ収集も、ビジュアル化もすべてを一から自分で企画立案、制作と行うのが課題。

ここでつくったのが「国の借金をビジュアル化する」で紹介したOECDの公開データに基づく、国の借金の現状のインタラクティブグラフだ。

当初は時間も知識も追いつかず、課題には手書きのイラストを提出していたが(初心者にはそれが推奨されてもいた。大事なのは考え方、アイディア、ストーリーだと)、卒業制作では、なんとかグーグル・ドックスでそれらしいビジュアルを完成。

さらに、掲示板での厳しいダメ出しを受けて(色づかいやデータの整理・あしらいについて)、改善したものが決定稿になった。参加者から(といっても2人だが)もらった点数は5段階で3。初心者にしてはまあまあだと思っている。

技能というよりは、データジャーナリズムの基本的な考え方がしっかり学べた、というのが実感だ。

ちなみに修了証は、発行料20ドル。オンラインのクレジット決済をしたら、すぐに届いた。

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