12歳でニューヨーク・タイムズ電子版を読むと犯罪になる

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04/07/2013 by kaztaira

ネットの人権擁護団体「電子フロンティア財団(EFF)」がこんな記事を掲載していた。

「10代でネットニュースを読んでいる? 司法省によるとあなたは犯罪者かもしれない」

eff念のためにエイプリルフールを疑ったが、この記事の日付は4月3日で、その手のネタではないようだ。というか、本当にそういうことになっているらしい。

これはEFFによるコンピューター詐欺及び不正利用防止法(CFAA)改正キャンペーンの一環だ。きっかけは、同法違反に問われた「天才」アクティビスト、アーロン・シュワルツさんの自殺だった。

1984年に制定された同法は、違法行為の規定が曖昧な一方で、刑罰が10年以上の懲役など極めて重いことが、シュワルツさんの自殺の一因とも見られている。同じ悲劇を繰り返さないためにも、同法改正を、というのがEFFの立場だ。

ここで焦点になるのが、「権限」をこえた利用、を同法が禁じている部分だ。

法律では明確な規定のない「権限」の範囲について、米司法省はサイトの「利用規約」や企業の「利用指針」に違反した場合には、同法違反、すなわち犯罪になるという見解をとっているらしい。

下院司法委員会はこれをさらに拡大し、サイト開設者の意図に反した目的でアクセスした利用者を訴追できるようにする、という提案をしているという。

ここで問題になるのが1998年制定の児童オンラインプライバシー保護法(COPPA)だ。

同法では児童のネットでのプライバシーを保護する目的で、サイト運営者に対し、保護者の同意なしに13歳未満の児童のプライバシー情報を収集することやマーケティングなどを禁じている。

同法により、ウェブサイトによっては、利用規約の中で13歳未満の利用そのものを禁じる、としているところもあるという。そしてメディアの利用規約を見ると、ニューヨーク・タイムズ、ボストン・グローブ、アリゾナ・リパブリック、NBCニュースにそれがある、と。

ニューヨーク・タイムズの利用規約を見てみると、6条3項には、確かにこうある。

nytimes「このサービス全体の購読には13歳以上であることが必要です」

この年齢制限はサイトによっても幅があり、ヒューストン・クロニクルやサンフランシスコ・クロニクルは18歳未満、U-Tサンディエゴ、マイアミ・ヘラルド、ナショナル・パブリック・ラジオ(NPR)は18歳から13歳までは保護者の同意が必要、としている。

そして、利用規約にもかかわらず、10代の子どもたちがこれらのニュースサイトにアクセスしたとすると、CFAAによって、利用規約違反のアクセスとなって、刑事罰の対象になる、ようだ。

CFAAの解釈をめぐっては、訴訟にもなっていたようで、第9巡回控訴裁判所は限定的な解釈をとったようだ。判事の判断。「政府のCFAAの解釈では、「背が高くて色黒でハンサム」と書き込んで、実際は背が低くて不器量だったとしたら、それで刑務所行きということになってしまう」

そして、実際には摘発がないとしても、「いつでもだれでも摘発できる」状況になってしまう、と。

社会への関心の強い12歳が、ネットでニューヨーク・タイムズを読んでいたら、それは犯罪。まるで反ユートピア小説のような世界だ。

こういうキャンペーンを展開するとき、EFFは本当に目のつけどころがいい。

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『朝日新聞記者のネット情報活用術』

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