そのソーシャルメディアをコントロールしているのはあなたじゃない

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04/14/2013 by kaztaira

友人のダン・ギルモアさんの講演を紹介する記事がニーマン・ジャーナリズム・レビューに掲載されていた。タイトルがなんとも。

ジャーナリストたちは自分が発信しているプラットホームをだれがコントロールしているのかがわかっていない、とダン・ギルモアは言う

3月26日にハーバード大学のバークマンセンターで行われた講演のテーマは「許諾済み(Permission Taken)」。ギルモアさんが今取り組んでいる新著の仮タイトルでもある。

ちなみに、下のビデオの画面左で司会をしているのはデビッド・ワインバーガーさんで、この人はこの人で、『クルートレイン宣言』(これまでのビジネスのやり方は終わりだ―あなたの会社を絶滅恐竜にしない95の法則)の共同執筆者であり、『インターネットはいかに知の秩序を変えるか? – デジタルの無秩序がもつ力』などの著書もある業界の有名人だ。

アウトラインはここに公開されていいて、副題も含めると結構長いタイトルだ。

許諾済み: テクノロジーとコミュニケーションのコントロールを奪い返すには(Permission Taken: How We can Recapture Control of Our Own Technology and Communications)

最初の数段落を読むだけで、ギルモアさんのおおよその立ち位置がわかると思う。

「最近まで、私はアップル教の幸せな信者だった。1日のほどんどをマッキントッシュのラップトップを使ってすごしていた。アイフォーンも使った。フェイスブックのアカウントも持っていて、何百人という”友達”がいた。検索にはもっぱらグーグルの検索エンジンを利用していた。第三者に個人情報を悪用されるかもしれないと気にはしていたが、それほど強く心配していたわけじゃない。テクノロジーに夢中すぎて、最新型といえば手に取っていた。その結果も深く考えず」

「いまだにテクノロジーが好きだし、私たちの暮らしに変革をもたらすと信じている。ただ、テクノロジーがどのように作用し、強力な利害関係者たちがそれをどう使おうとしているのかがわかってくるにつれ、これはちょっと考え直す必要があると思いいたった」

「だからこそ、今ではこの文章をフリーでオープンなOS、リナックスで動くコンピューターで書いている。アンドロイドのスマートフォンも持っているが、改変を加えて、メーカーやキャリアが押しつけようとする機能制限は削除してある。フェイスブックのアカウントは閉鎖したし、検索エンジンも、これまでとは違った様々な使い方をしている。そして私の個人情報や行動を、第三者にどこまで開示するかについては、以前よりもはるかに注意深くなった」

ギルモアさんは、最初の著書「We the Media」(ブログ 世界を変える個人メディア *CC BY-NC-SA 2.1 JPで全文公開)、2冊目の「Mediactive」(あなたがメディア ソーシャル新時代の情報術)ともに、本の出版を、オープンでウェブベースのメディアづくりと連携させたプロジェクトとして進めてきた。紙の本の出版は、その一部、という位置づけだ。

今回もドメインは取得して、プロジェクトの拠点サイトづくりは始まっているようだ。 http://permissiontaken.com/

「ジャーナリストたちはなぜ自らの記事を、自分ではコントロールできないフェイスブックに載せたりしているのか、聞いてみたい。他人が運営するプラットホームに、なぜ載せるんだ」

それによって利益を得るのはだれだ? それを仕切っているのはだれだ? それに対して私たちができることは何だ?

ギルモアさんは、その一例として、雑誌ニューヨーカーが投稿した裸のアダムとイブを描いたマンガが原因で、フェイスブックページが一時、アクセス停止となった「事件」を挙げる。ニューヨーカーが「ニップルゲート」と呼ぶ事件で、イブの胸に描かれた二つの「点」がフェイスブックの規則に抵触したらしい(でもアダムの胸の「点」は問題なかったようだ)。

さらに、起業家・ブロガーのロイック・ルムールさんのフェイスブックにいる友人のこんな言葉を紹介する。「僕らは電気みたいなものなんだ」

「フェイスブックは電力会社なのか? 電力会社にはどう対処する? 規制だ。独占企業には法規制が必要だ。私は規制が好きではないが、そんなことを考える必要はある」

さらにジャーナリストは取材先を守るためにも通信経路の匿名化ソフト「トーア(Tor)」の利用を、とギルモアさん。「トーア」は「米軍製匿名ネットとPC遠隔操作」も紹介したが、PC遠隔操作事件や警視庁の内部文書流出事件などでも知られるようになったが、そもそもは表現の自由や民主化支援ツールとして活用されきたものだ。

ギルモアさんは現在、米アリゾナ州立大学ウォルター・クロンカイト・ジャーナリズムスクール教授でデジタルメディア起業家センター所長。そのかたわら英ガーディアンの電子版でコラム「オン・デジタル・ビーイング」も担当している。

dangillmorここでも「デジタルの世界では、あなたは所有するのではなく使用許諾を受けてるだけだ」「クラウドコンピューティング革命を受け入れよう――気をつけて」など、同じ問題意識のコラムが並んでいる。

『許諾済み』の公開されているドラフトから簡単に章立てを紹介しておく。
第1章: 台頭する帝国(アップルはあなたのパパじゃない)
第2章: 政府がセキュリティーとコントロールを推し進める
第3章: テクノロジーの自由は戦略とプロセス、それ自体が目的じゃない
第4章: オーフンソース・ソフトがIBMで使えるなら、私たちにも使える
第5章: さあ始めよう: マック、ウィンドウズからリナックスに乗り換えるには
第6章: モバイルOSをアンドロイドにすべき理由(少なくとも今は)、そして最大限に活用するには
第7章: あなたのデータ、プライバシー、そして言論の自由を守る
第8章: あなた流にメディアを使う
第9章: オープンソース・パブリッシング
第10章: 生態系の中で見落とされていること

ギルモア節全開だ。

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朝日新聞記者のネット情報活用術

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