・・・それでも「人探しのクラウドソース」は機能する: ボストン爆破テロ メディアその後2

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04/29/2013 by kaztaira

ボストン爆破テロの「犯人捜し」の過熱と「犯人取り違い」をめぐって、ソーシャルメディアや「クラウドソース」の課題が目を引く中で、こんな記事を見つけた。しかも科学誌「ネイチャー」のサイトで。

nature

「捜索のクラウドソースはうまくいく」

Crowdsourcing in manhunts can work (Nature)

「ボストン爆破テロでは失敗もあったが、ソーシャルメディアは素早い人探しに役立てることができる」。筆者はネイチャーのコンサルタントエディター、フィリップ・ボールさん。

容疑者の手配写真があっという間に拡散する一方で、間違った情報も広がり、間違った情報をもとに間違った批判の波も広がる。ボストン爆破テロで見た光景だ。

だが、アブダビのマスダール工科大学のコンピューター科学者、リヤド・ラワンさんのチームは、写真だけを使って世界各地から人探しをするというプロジェクトで、ツイッターやフェイスブックなどのソーシャルメディアが効果的に機能した、という論文をまとめたという。

論文のタイトルは「グローバルな人探しにおける、的を絞ったソーシャルな動員(Targeted Social Mobilisation in a Global Manhunt)」

オンラインのレポジトリ「アーカイブ・オルグ(arxiv.org)」で公開されている。

実験の成功のポイントは「的を絞った(targeted)」の部分。参加者は、見境のない、パニック状態での情報送信ではなく、人探しの対象者について、より限定的で方向性のはっきりした情報を寄せてきたのだという。

ラワンさんたちの実験は、米国務省が昨年主催した「タグ・チャレンジ」というコンペティションで行われたもの。ニューヨーク、ワシントン、ロンドン、ストックホルム、ブラチスラバ(スロバキア)の5都市で、顔写真だけを頼りに宝石泥棒の容疑者を12時間以内に捜し出す、という内容だ。

ラワンさんたちのチームは、クラウドソースの手法を使い、容疑者の写真をウェブにアップロードしたり、さらに協力者を募集してくれた人には報酬を用意。ロンドンとストックホルムはうまくいかなかったようだが、この犯人捜しコンペで優勝したようだ。

では、ボストン爆破テロと「タグ・チャレンジ」の違いは? ラワンさんはこう見立てる。「ボストンの犯人捜しは、この手法が失敗してしまうこともあるという事例だ。この場合、かなりの間違った情報が流布してしまった。大事件だったため、手持ちの情報がなかったり、思い違いをしていたような人たちも、誰彼なく犯人捜しに協力したいという気にさせたことも、一つの理由だろう」

「大量に動員することと、より信頼できて情報を理解している人々を効果的に動員することの間には、トレードオフがあると思う。あまりに大勢の人々が関与すると、実際にはうまくいかなくなってしまうことがある」。ラワンさんは、クラウドソースで集まる情報をチェックする仕組みにも取り組んでいるという。

すでに2003年に電子メールを使ったソーシャルサーチの実験を行ったバーモント大学のコンピューター科学者、ピーター・オッズさんは、「ウェブを使った”集団捜索”には極めて強い可能性があるし、現に普及してきている」。犯人捜索だけでなく、例えば不明児童の捜索でも。

「善意で動き出す人々が集団で間違った情報を集め、魔女狩りにいたってしまうのを防ぐには――分散型のソーシャルサーチがきちんと正しい結果を生み出せるような取り組みが必要だ」

なるほど、この問題意識は共有したい。

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朝日新聞記者のネット情報活用術

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