「ニュース」は告発の中身か、スノーデン氏か

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07/20/2013 by kaztaira

ネットの人権擁護団体、電子フロンティア財団(EFF)のディレクター、ジリアン・C・ヨークさんが、報道の自由財団のブログにこんな記事を書いていた。

「暴露された情報よりもスノーデン氏に焦点をあて続けるメディア(Media Continues to Focus on Snowden Rather Than the Information He’s Revealed)」

エドワード・スノーデンさんが暴露した米国家安全保障局(NSA)の極秘の情報収集プログラム「PRISM(プリズム)」の実態よりも、スノーデンさん自身の動向について、メディア報道が大きく傾いているという指摘だ。

googletrend

(画像をクリックするとグーグルトレンドに飛びます)

記事では、「Snowden」「NSA」「PRISM」「surveillance」のキーワードを使い、グーグルトレンドでグーグルニュースでの出現頻度を調べたグラフを掲載している。期間は30日間に設定してあったが、この一連の報道がスタートした6月初めからに設定し直したのが上記グラフだ

インタビュー動画とともにスノーデンさんがガーディアンで身元を明らかにしたのは6月10日。当初こそ、「NSA」「surveillance」が「Snowden」を上回っているが、スノーデンさんがスパイ防止法違反容疑で訴追されたとの報道があった6月22日を境に、状況は一変する。

この後、メディアの報道はスノーデンさん自身の動向に一気に収斂する。翌23日に滞在先だった香港からアエロフロート機でモスクワに向かった事が報じられ、モスクワ到着がハイライト。プーチン大統領がモスクワ空港にスノーデンさんがいることを認め、引き渡しの拒否を表明した25日に、その名前が最も多く登場した。

そして「NSA」「surveillance」などはほぼなりを潜め、この後は「Snowden」一色になっていく。

なぜか。

NSAの情報収集活動の背景には、ビッグデータとプライバシーという議論の足場そのものが流動的な問題があり、そもそも明確な判断が下しにくいと指摘する声もある。

Why The Edward Snowden Story Is Such A Psychologically Compelling Mess (Forbes)

扱いにくい問題の本質より、人物に焦点を当てる方がニュースコンテンツとしてははるかにわかりやすい、というわけだ。

さらに進んで、露骨なスノーデン氏批判をメディアで展開する人々もいる。

MSNBCの番組ホストでチューレンーン大学教授のメリッサ・ハリス・ペリーさんはスノーデンさんへの公開書簡の中で、端的にこう述べている。

「市民の情報と通信にアクセスし監視することが合憲なのか、秘密裁判所に秘密令状によって秘密の許諾を与えることを認めるべきか、そんな議論をすることも可能だったろう。だがそんなことを議論するつもりはない。我々が議論をするのは、あなたのことだ!」

Edward Snowden, come on home (MSNBC)

このような動きに対し、ニューヨーク大学のジェイ・ローゼン教授はこう指摘する――スノーデン効果はスノーデン物語よりはるかに重要だ、と。

スノーデン効果とは、スノーデン氏の暴露で、これまで口をつぐんできた議会やシリコンバレー企業が、NSAに手続きの透明化を求めたり、諸外国が事実関係について釈明を求めたり、といった波紋の広がりだ。そして、スノーデン物語とは、ガールフレンドとか暮らしぶり、思想信条といった身辺の洗い出しのことを指す。

The Snowden Effect: definition and examples (PressThink)

どちらもニュースではあるのだが・・・自戒を込めて。

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