2003年のシリコンバレーから2013年を空目する

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08/26/2013 by kaztaira

週末、ブロガーの徳力基彦さんのアジャイルメディア・ネットワーク主催「ブロガーサミット2013」を渋谷に見に行った。1000人規模のイベントということで、カンファレンスというよりは、空調のきいた夏フェスだった。登壇者のブロガーの方々も、持ち歌を期待どおりに披露していた感じで楽しませてもらった。

Exif_JPEG_PICTUREブログの10年を振り返るイベントだったのだが、私は2003年の春から2年間、シリコンバレーに赴任していたため、当時の日本でのブログの盛り上がりをあまりよく知らない。

2003年から2年間のシリコンバレーは、ちょうど、ITバブル崩壊で空きオフィスが目立つ街中が、グーグルのIPO(2004年8月)と、リーマンショックでクラッシュする住宅バブルに向けて熱を帯びていく、そんな時期だった。

私がシリコンバレーのことを教わったのは、まず梅田望夫さんだ。私にとってのブログといえば、当時CNETで連載されていた「梅田望夫・英語で読むITトレンド」であり、梅田さんの著書『シリコンバレーは私をどう変えたか―起業の聖地での知的格闘記』(後に『シリコンバレー精神 -グーグルを生むビジネス風土 (ちくま文庫)』に改題)がシリコンバレーの教科書。赴任してまず挨拶に伺ったのも、そのころパロアルトのカリフォルニアアベニューにあった梅田さんの事務所だった。

Exif_JPEG_PICTURE「ウェブ進化論」著者、梅田望夫さん(45)に聞く―チープ革命が総表現社会を実現する

あと、シリコンバレーで知り合ったブロガーは、当時まだ地元紙サンノゼ・マーキュリー・ニュースの看板コラムニストだったダン・ギルモアさん。1999年からブログを続ける古参ブロガーだ。メディアとしてのブログ、ブログとジャーナリズムの関係は、ギルモアさんから教わった。

「We the Media」の著者 コラムニスト、ダン・ギルモア氏に聞く―テクノロジーが可能にする新たなメディア

ギルモアさんとは、その後、2冊の著書『ブログ 世界を変える個人メディア』『あなたがメディア! ソーシャル新時代の情報術』を翻訳させてもらうことになる。

当時の米国もブログは大きなトレンドだった。テクノラティがブログランキングを公開し、グループブログの「ボインボイン」、政治ブログの「トーキング・ポインツ・メモ」や「デイリーコス」なども人気を集めていた。これらのブログは、それぞれメディア化しながらいまだに一線に立ち続けている。アリアナ・ハフィントンさんなどは、まだカリフォルニア州知事選の候補者で、ブログメディアの中では「ハフィントンポスト」は、かなりの後発組だった。

この頃は、第一次ソーシャルメディア・ブームでもあり、フレンドスター、マイスペース、リンクトインが席巻していた。これらブログとソーシャルメディアを取り込んだ本格的なネット選挙を展開したのが、2003年から2004年にかけての米大統領選の民主党予備選で急浮上し、急失速した元バーモント州知事ハワード・ディーンさんの「ディーン旋風」だった。

ブログやソーシャルメディアがメディア空間を激変させ、政治やジャーナリズムを土台から揺さぶる。それはギルモアさんが当初から指摘していたことだし、リーマンショックというだめ押しはあったが、この10年という時間軸は、まさにそれをなぞるような成り行きだった。

10年後のメディア環境を描いた2004年公開のビデオ「EPIC2014」も、アマゾンのジェフ・ベゾスさんがワシントン・ポストを買ったこの2013年から見ても、なかなかいい筋読みだと思う。

Exif_JPEG_PICTUREブロガーサミットは、そんなことを考えながら、2003年から2013年を空目する1日だった。

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