「リトルデータ」ではダメなのか?

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10/21/2013 by kaztaira

メディアアナリストのケン・ドクターさんが、ニーマン・チャーナリズム・ラボのブログで「リトルデータ」を取り上げている。「リトルデータはビッグデータに勝る」と。

The newsonomics of “Little Data,” data scientists, and conversion specialists (Nieman Journalism Lab)

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●スピードとインサイト

ドクターさんのポイントは、ニューヨーク・タイムズフィナンシャル・タイムズ、ノルウェーのメディアグループ、スキブステッドなどの先進的なメディア企業が、データ傾斜型の人材増強にリソースを集中している、という動きだ。

具体的には、データサイエンティストやコンバージョンスペシャリストといった肩書のスタッフによるデータチームを構築しているのだという。

データサイエンティストはさすがに耳にすることが多いが(「データサイエンディストとデータジャーナリスト」)、コンバージョンスペシャリストというのは、景気のよさそうな名前だが、初耳だ。

記事によると、「Eコマースの経験、ストーリーテリングの技、プログラミングの技術。その三つをブレンドさせ、あわせてビジネスも理解しているのが、よいコンバージョンスペシャリスト」なのだという。

コンバージョン寄りのウェブマーケティングの専門家、というイメージだろうか。

3社とも、これらのデータ人材をIT部門、ビジネス部門と緊密に連携させることで、成果に結びつけようとしているようだ。

ここでドクターさんが指摘するのが「リトルデータ」だ。

ドクターさんがいう「リトルデータ」とは、文字通りビッグデータを分割した小さなデータの塊、事業を効率的に進めるため、ビッグプロジェクトを小さなタスクに分割するようなもの、だという。

そして、フィナンシャル・タイムズのデータ分析の責任者、トム・ベッツさんの説明を紹介している。

「リトルデータは非常に有益なコンセプトだと思う。〝ビッグデータ〟はバブルの喧噪が取り巻いていて、データのサイズとビジネス価値に相関関係があるように言われるが、私には信じられない。カギとなる読者のインサイトは、小さなデータセットからでも、巨大なデータと同じように得ることができるのではないか」

「ツールをつくる際には、できる限り早く手が打てるようになることが要求される。多くの〝ビッグデータ〟のテクノロジーもそれを後押しするためのものだ。データ分析では、スケールは重要なトピックだと思う――データからわかるシグナルや要因に対して、素早く行動できれば、それだけ成功のチャンスは増える。特にマーケティングではそうだ。ただ、それは物事の一面にすぎない。私にとっては、たとえデータは小さくとも、よりよいビジネス判断に役立ててもらえることの方がより重要なのだ」

スピードとよりよいビジネス判断、がポイントだろう。素早く的確なインサイトが把握できる数十カラムのデータなら、何千万カラムというデータに勝る、と。

●誰得ビッグデータ

これは一体何のためのデータ分析なのか、と首をかしげるような〝誰得ビッグデータ〟も、結構目にする。「夏にビーチサンダルが売れる症候群」(栄藤稔・NTTドコモ執行役員)だ。

栄藤さんは、日経産業新聞のコラム「データサイエンティスト、お金もうけできてこそ存在意義」でこう述べている。

「こんな業界の笑い話がある。『靴の小売業者がビッグデータ神話に乗り、多額の費用で解析した結果、冬にブーツが売れ、夏にサンダルが売れることがわかった』。似た話には『シャンプーを買う人はリンスも買う』『夜は新橋が丸の内より混んでいる』がある。何が問題かお分かりだろう。データからもうけになるシナリオが作れていない」

「データサイエンティストならば『灰色っぽいブーツをそろえて売り上げを20%増やします』と言うだろう。私は同僚に言っている。『ビッグデータと言うなら近未来を予測し、もうけ話にできなきゃ意味がない』と」

ごもっとも。

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