ビットコインがすごいことになっていた(追記あり)

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11/23/2013 by kaztaira

ちょっと見ない間に、ここしばらくでビットコインがすごいことになっていた。

年初には1BTC(ビットコイン)のレートは13ドル程度だった。春先に一度、200ドル超の小バブルがはじけているが、今月19日には500ドル超から一時、最高値の900ドル98セントを記録。その後再び500ドル超に戻すというジェットコースターぶりだ。

Bitcoin: $500 to $900 and back … in a day! (CNN Money)

前日の18日に開かれたビットコインに関する米上院の公聴会で、肯定的な発言があった、と受け止められたことも影響しているようだ。

米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は公聴会への書簡で、アラン・ブリンダー元FRB副議長の言葉を引いて、ビットコインなどの仮想通貨について、リスクはあり、注視は続けていくものの、「長期的には可能性をもつ領域があるかもしれない。ことにイノベーションによって、より速く、安全で効率的な決済システムが促進されていくなら」との表現を使った。

司法省のラマン次官補代理も「司法省は、多くの仮想貨幣システムが適法な金融サービスを提供し、グローバルな商取引を促進する可能性を持っていると認識している」と述べたという。

Bitcoin’s tipping point (Fortune)

Authorities See Worth of Bitcoin (Wall Street Journal)

Ben Bernanke’s letter to Congress: Bitcoin and other virtual currencies “may hold long-term promise” (Quartz)

●中国からキプロスまで

2009年に登場したビットコインは、決済手数料の安さ、匿名での利用などの手軽さが受けて、急速に普及。

bitcoin3

投資家の注目も集め、フェイスブックのアイディアをめぐるザッカーバーグCEOとの訴訟で知られるウィンクルボス兄弟も、ビットコインに資金をつぎ込み、全流通量の1%を手にした、とも言われているようだ。

Winklevoss Twins Say Bitcoin Market To Hit $400B, Urge Regulators Not To Push Innovation To China (Forbs) 

サイト「ビットコイン・チャート」によると、現在流通しているビットコインの総量は1200万BTC(ビットコイン)。ドルや円などの通貨との交換所が東京を含む各地にあって、最新のレートに基づく時価総額は65億ドル。

このレートを押し上げている要因の一つが中国だと言われる。中国の検索大手・百度(バイドゥ)も10月、ビットコインの採用を表明した。

Bitcoin demand in China spurs BTCChina exchange to rapid growth (Financial Times)

Baidu accelerated the opening music bitcoin payment services

ロサンゼルスのオンライン旅行代理店、さらにキプロスのニコシア大では学費支払いにも、ビットコインが使えるという。

Bitcoin beginning to go mainstream (USA Today)

●P2P、公開鍵暗号、ハッシュ関数

ビットコインは、「サトシ・ナカモト」名義で公表された論文が元になっているとされる(※追記あり)。

中央のサーバーを持たないピア・ツー・ピア(P2P)のシステムだ。なので、システムやそれぞれの取引の信頼性を担保する特定の機関はない。

その代わり、公開鍵の楕円曲線暗号(ECDSA)、ハッシュ関数(SHA256)などの暗号技術によって、偽造や二重使用の防止など安全性を確保する。この暗号技術の解読の難しさが、取引から取引への「信頼の連鎖」を支えている。

bitcoin1

決済に関わる演算処理能力は、マイナー(鉱山労働者)と呼ばれるP2Pのネットワーク上の参加者のパソコンのマシンパワーに依存する。

マイナーは、決済処理の中で「ハードル」として用意されている演算を達成すると、報酬として新規発行のビットコインを手にすることができる。マイニング(採掘)と呼ばれている。

ただ、ビットコインはインフレ防止の設計として、流通総量の上限が2100万BTCとされている。上限に近づくほどマイニングの「ハードル」は高くなり、より高度のマシンパワーが必要になる。

bitcoin2

現時点での流通総量はすでに上限の6割に達しており、マイニングに特化した専用マシンでないと太刀打ちできない「採掘競争」の状態になっているようだ。

●ビットコインによる闇市場

匿名で決済できるため、当然、ややこしい使い方をする人たちも出てくる。上院公聴会の開催も、そのあたりの事情がある。

FBIは今年10月、ビットコインを使ったドラッグなどの取引が行われていたとして〝ドラッグのイーベイ〟とも言われたネットの闇市場「シルクロード」を摘発。14万4000ビットコイン(当時のレートで2800万ドル相当)を押収したという。

Bitcoins seized in Silk Road raid (Guardian)

この手の闇市場は「シルクロード」だけではない。フォーブスによると、ビットコインの募金で暗殺の報酬を募る〝暗殺のクラウドファンディング〟サイトもあるようだ。

開設者は黒沢明監督『用心棒』で三船敏郎が演じた「桑畑三十郎」を名乗っているという。

Meet The ‘Assassination Market’ Creator Who’s Crowdfunding Murder With Bitcoins (Forbes)

●それでどうなる

アトランティックが「ビットコインは通貨のセグウェイ」とくさせば、ワシントン・ポストはプラットホームとしてのビットコインをアーパネット(インターネット)の来歴と重ねながら「ビットコインは通貨のセグウェイではない」という。

Bitcoin Is the Segway of Currency (Atlantic)

No, Bitcoin isn’t the Segway of currencies (Washington Post)

どちらでもいいのだが、ただ、今の状況はどう見てもバブルだ。

でもニュースとしては、まだいろんな小ネタがありそうで、ちょっと目が話せない。

※追記(20131125 08:00am):「シルクロード」と「サトシ・ナカモト」のつながり

ニューヨーク・タイムズのテックライター、ジョン・マーコフさんが23日付けの記事で、「シルクロード」を運営し、摘発された「ドレッド・パイレート・ロバーツ」ことロス・ウィリアム・ウルブリヒト氏と、ビットコインの開発者とされる「サトシ・ナカモト」のつながりを伺わせる取引を、イスラエルの2人の研究者が論文にまとめた、と報じている。

公開されているビットコインの取引記録を分析したところ、ウルブリヒト氏のアカウントへ、2009年1月に開設されたビットコイン最初期のアカウントから大量の振り込みがあったのだという。このような時期にアカウントを開設しているのは「サトシ・ナカモト」本人ではないか、と。

興味深いスクープだ。

Study Suggests Link Between Dread Pirate Roberts and Satoshi Nakamoto (New York Times)

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